■両者の声を聞き、間を保つ。
片方がウソを言っている時に騙されてはいけない。それが中道の極意のはずである。前項で書いた、右のものが右に大きく傾いたビーンボールを投げているのに対し、左の者が正直に喋っている場合、そのバランスをオフセットしないと中道は務まらぬ。中道は議論の中心に埋まったアンカーに真摯でなくてはいけない。議論の全体が見えていなくては中道は務まらない。そしてビーンボールを投げた右というのは『嘘つき協会』の連中で、彼らは『常に真ん中に立ちたがる日和みバカ』を騙す為にビーンボールを投げ続けているのだということを知っていなくてはいけないはずだ。
安倍晋三政権以降の政治はこの手法で幾つもの戦後民主主義を破壊してきた。戦争国家への再編と武器ビジネス参入、その背後に北朝鮮のスパイの暗躍がある。情報を盗み、自己正当化と具体的な衝突時の足掛かりを作ったのだ。日本海側の原子力発電所はロシアが日本との戦争を想定して建てさせた。この正月に公表されたロシアの文章にはそれらが攻撃目標であることが記載されている。原発が安全保障上の脅威になることはわかっていた筈だ。作らされ、補強のための支出を乗せることも詐欺の手口である。この日本国に対する財政的ダメージも外部から誘導されている。
彼らはこの中心をしっかり押さえている人、アンカーが埋まっている上方の人を極中道と非難しアンカー(碇)である理論、倫理、知性、科学などの力を権力と誤視させ、敵視させ、反権力運動の文脈で反知性を広げる。
一方、日和見の中道者、差別主義に染まってしまったり、リバタリアンに染まってしまったり、陰謀論に回収されてしまう、テレビばかり見ているB層(一般大衆層の中の意識低い系)を中道(国民的知性センターライン)と馬鹿にして括り駒にする。
ハーメルンの笛吹きに対抗する意味で、前者を中極道(中王道)と呼び、後者を極楽中道と呼んではどうか。