■不自由なまでの過剰競争自由経済主義。
民主主義の危機と呼ばれているものの本当の姿は、独裁主義の再来や専制政治ではないのではないか?
ルールを無視するほどの自由競争。
社会主義国家だった国々が今、民主的であることを強く主張するようになった。その根拠として挙げてくるのは自由市場開放である。実際に彼らはイデオロギーと相反する自由資本主義を取り入れた。
新自由主義の帰結は、民営化。その先の無政府状態。失われるものは、自由の対岸にある規制。
規制が消失した世界で起きるのは、無秩序なまでの自由、混沌と人命を軽視するほどの利潤追求であることは言うまでもない。問題の多くはなぜか非社会主義圏で起きている。
そして今、世界を狂わせる最大の要因として中国の過剰生産があげられている。
後発した大国の工業生産技術水準は高く、鉄鋼を始めEVに至るまで全ての工業生産品に過剰供給がみられている。
■自由競争の不自由な経済
人を無視するほどの競争。
それが民主主義の危機の一端にあるのではないか。
先進国の都市部で起きる貧困はそれまで後進国や農村部で起きていた貧困とは違う。外部化されたコストその多くは人件費。生活の質の低下は、生活費の不足のよるもの。
核家族化は資本家による人件費抑制の結果であり、外部化されたコストの中に入る。今孤独死や孤立死、訪問看護、医療の不足はこの時に外部化されたコストのうちのひとつに思える。